「資金のなる木」

 

資金改善の管理方法の一つに≪資金のなる木≫があります。

 

資金のなる木は…経費削減や利益改善で成果が出たら、花の形をかたどった付箋に改善内容と改善金額を記入して、木の形をした台紙に張り出し、改善状況の見える化をする取り組みです。

全社で改善状況を共有できることで、社員の意識醸成に繋がり、社内の雰囲気が資金改善に対して意欲的になるケースが多い取り組みです。

 

私がセミナーや研修会で≪資金のなる木≫を活用して、実際に資金を増やすことに成功した企業の事例を紹介すると、参加した社長の多くが「私の会社でも実践したい!帰ったら資金のなる木を作ります!」と目を輝かせて、『これは良い情報を教えてもらった』と言わんばかりに会場を後にします。

 

後日、資金のなる木を実践すると言っていた社長に「その後、資金のなる木は上手くいっていますか?」と質問すると恥ずかしそうな表情で「あの後すぐに取り組んだのですが、全然花が咲きません。意外と難しいですね。」と話されます。

私はその話を聞いて、今まで資金が増えない会社が、そう簡単に資金のなる木を満開にできるはずがないと思っています。

 

なぜなら、資金のなる木に多くの花を咲かせるにはいくつかのコツがあるからです。

そのコツをいくつか紹介します。

 

資金のなる木を育てる「育成係」を決めなさい。

⇒社長から全社員に「資金のなる木を始めたから、改善したら付箋を貼りなさい!」と指示しても多くの会社では機能しません。社員の多くが「また社長の思い付きが始まった…」程度にしか思っていません。その時に必要なのは粘り強く資金のなる木に花を咲かせる担当です。最初は改善成果が集まらなくても、繰り返し、繰り返し発信を続ける役割や改善成果を能動的に集める役割が必要です。

一昼夜で花が咲き乱れるほど、資金のなる木は甘くはないのです。

 

どのような花を育てるのか決めなさい。

⇒「資金改善をするんだ!」と社長が鼻息を荒くしても、社員からすれば「何をすればいいの?」とポカンとしています。それは至極当然です。なぜなら、社員は資金改善などしたこともなければ、考えたことも無いからです。

その時に必要なのはどのような改善をするのか具体的に項目を決めることです。

経費削減による資金改善なのか。接客強化による客単価UPなのか。など

本物の花を育てるのと同じで、どんな花を育てるのか分からなければ、水の上げ方も肥料の上げ方も日光の当て方も分かりません。

資金改善も同じなのです。

 

花が咲いたら、みんなに教えなさい。

⇒資金のなる木をうまく活用している会社の共通点は、花が咲いたら、みんなで共有することを怠らないことです。

資金のなる木を失敗している会社は、花が咲いても誰にも伝えていません。

せっかく、花を咲かせた(改善をした)人も、誰からも興味を持たれないのであれば、次の花を咲かせようと思うはずがありません。そのようにして陳腐化してしまうのです。

資金の花は、みんなで開花を分かち合えば、分かち合うほど次の花が開くのです。

 

このように「資金なる木」という取組み一つとっても、社内体質の問題が大きく影響します。

資金改善と聞くと「拝金主義」「金儲け」とドライなイメージが先行しがちですが、本当の資金改善とは社内体質の改善に強く結びついているのです。

 

ぜひ、あなたの会社でも資金のなる木を育ててみてください。

 

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資金研修会

 

戸田

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