お金を増やす仕組みの原理とは?

皆さんこんにちは。資金コンサルタントの細川です。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置などが継続し、もはや「非日常」が「日常」化してしまってウンザリな状況かもしれませんが、いかがお過ごしでしょうか。少しでも体調におかしなことがあると大丈夫なのか、ワクチンはいつ摂取できるのか、オリンピックは本当に開催されるのか…。心配の種は尽きず惑わされることが多い今日この頃ですが、皆さんの会社の経営にも迷いが出てきていませんか?

 

そこで本日は、将来に不安を感じお金(もしかすると会社までも)を失いかけているかもしれない経営者を励ますために、事業継続するために不可欠な「お金を増やす原理」について再考したいと思います。

 

 

資金はどこにあるか

ところで、皆さんの会社の「資金」はどこにあるのでしょうか?レジスターのトレー、手提げ金庫の中、取引銀行の地下室の奥の方…。確かに「紙幣」や「硬貨」などの「現金」はそこにあるかもしれませんが、それは「資金」の一部でしかありません。

 

答えを先に述べてしまうと、実は貸借対照表に載っているものすべてが資金です。つまり貸借対照表とは、資金が「現金」、「売掛金」、「資本金」などという仮の姿(勘定科目)に一時的に化けている状態を説明したものであって、元をたどれば全て資金なのです。

そして、ある時点での資金の「調達元」を右側(負債や純資産)に配置し、資金の「投資先」を左側(資産)に配置して説明したのが貸借対照表という訳です。

 

 

資金が動く原理

貸借対照表が資金の状態を表しているのはわかりましたが、そもそも資金の「調達」や「投資」というものは、何を原動力にして増減するのでしょうか。

 

調達については、資金を提供する側から考えてみれば簡単です。つまり過去の実績などから、資金提供に対する見返りが期待できると「信用」された場合、会社は負債(借入や買掛金等)という形で他人から支払猶予のある資金を得られますし、また純資産(資本金や繰越利益剰余金等)という形で株主(会社法では株主は「社員」ですから自分自身)から返済義務のない資金を得られます。

 

そして資金提供の見返りとして、会社は他人には利息や手数料などの費用を、株主には配当を提供します。資金を調達する側から見れば、調達元に対して信用に裏打ちされた「貸し」があるから資金が集まるということもできます。ちなみに銀行が融資を行うことを「信用創造」と言いますね。

 

逆に投資については、他人や自分自身の未来に対する見返りを期待し「信頼」した場合、会社は資産(売掛金や棚卸資産、土地などの固定資産)という形で資金を投資します。資金を投資する側から見れば、投資先の信頼できる力を「借り」て、見返りとしての利益を稼ぐという仕組みです。

 

 



信用がお金を増やす

このように、資金は他人や自分への信用と信頼を原動力として増減します。そして、資金の調達元や投資先が誰であるかを表しているものが勘定科目と言えます。

 

その中で特に現預金という銀行に対する信頼(債権)※と、借入金という銀行からの信用(債務)の差である自己資金は、銀行に対する依存度を表したものと言えます。すなわち自己資金がプラスであればあるほど、銀行に対する依存度は低く経営に対して自信を持っているということになります。

※紙幣は「日本銀行券」という無記名の債券ですし、預金は銀行から見れば預金者に返す義務のある負債です。

 

 

一方で、他人からの信用(買掛金等)を大きく上回る信頼(売掛金や棚卸資産)を抱えていると、運転資金負担が膨らみ差額の分だけ資金を減らすため、借入金などで補う必要があります。つまり、未来に対し身の丈以上に過剰に期待しすぎると、自己資金を減らし自信を喪失するということです。

 

裏を返せば、他人からの信用(負債)と自分への信用(純資産)の合計が、常に現預金以外の誰かへの信頼(資産)を上回っていれば、現預金は増加するということです。「借り」より「貸し」の方が上回って「貯金」があるイメージと言えば分かりやすいでしょうか。

 



信用が資本

いかがでしたでしょうか。簿記や瞬間くんを活用して資金の増減を学ぶ方法のほかに、このように他人と自分とにある「信用」「信頼」の差が資金を増減させると捉えてみると、数値の苦手な方でも直観的に資金が増える仕組みを理解できるのではないでしょうか。かの渋沢栄一も、「信用は実に資本であって、商売繁盛の根底である」と看破したのもうなずけます。こういうわけでNBCの資金術では、貸借対照表を活用して資金と利益を計算するのです。

 

貸借対照表に限らず、ものの見方を変えてみたり他のもので置き換えたりすることで、現状を再定義して前向きな解釈を行うと、もしかすると違った方向性が見いだせるかもしれません。今日のような一見困難に見える経営環境の中にも、チャンスを見いだす余地はないか、検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

細川

 

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