組織図をつくろう!
~あなたの会社に相応しい形とは?~
皆さんこんにちは!資金コンサルタントの細川です。
最近はしっかり冷え込んできて冬本番ですね。寒がりの私は暖房をガンガン炊いて凌ごうとするのですが、このところのエネルギー価格の高騰で、毎月の電気ガス料金の請求額にガタガタ震えています…。そんな時は激辛カレーを食べて、体の芯から温めるのも効果的ですね。
さて、本日は「組織図」についてです。我々はご支援の初期段階で、お客様の組織や従業員の役職を確認するのですが、組織図が存在しなかったり指揮命令系統があいまいだったりする会社様が意外と多くいらっしゃいます。しかも従業員が数名の会社ならまだしも、時には100名を超える会社でも組織図が存在しないことがあります。そのため、即席で社長と一緒に組織図を作成することも珍しくありません。
そのような会社では、ある意味「学級会」のような感覚で仕事が回せているのかもしれませんが、責任の所在があいまいなため、新しい取り組みが長続きしなかったり、フィードバックがしづらかったりします。結果、資金を思うように増やせず窮地に陥っていることも往々にしてあります。
もちろん、中小企業では一人何役もこなす「多能工」が当然のように求められるので、仮に組織図があっても実際に遂行している業務の範囲とぴったり一致しているとは限りません。とはいえ自分の軸足がどこにあるのか、組織の一員としてしっかり定義しておくことは大切です。
そこで今一度、資金を増やすために必要な組織図とはどのようなものか、皆さんと振り返ってみたいと思います。
組織とは何か
そもそも組織とは何でしょうか。いろいろな表現や説明がされていますが、共通する要素は、
・特定の目的を達成するため、
・2人以上が集まり、
・役割を分担し、統合、調整する
になります。
簡単に言えば、「会社が実現したいことのために、各自が得意なこと(Role、ロール)に集中しつつも、全体最適となるように統制(Rule、ルール)し生産性を最大化する」のが、理想的な組織となります。
組織図のメリット
ここから、組織図があることのメリットは、
・共通目的を明確にできる
…「製造部」ならば、QCDを順守しながら製品を作るのが目的になる
・貢献意欲を高められる
…協働する中での自身の権限や責任が明白になる
・コミュニケーションがとりやすくなる
…誰が何を担当しているのか分かるため、効率的に情報共有できる
となります。
結果、モチベーションの高い従業員が風通しの良い社風を形成し、全社一丸となって物事に取り組む下地が作られ易くなります。
組織図の種類
次に、組織図の形態についてみていきましょう。
中小企業で最も多いのは経営陣をトップとしたピラミッド型の、
・機能(職能)別組織
…「人事」「営業」「製造」「経理」などの部門がぶら下がるもの
・事業部制組織
…「製品・サービス別」「地域別」「顧客別」などの部門がぶら下がるもの
の2つになります。またこれらに類似するものとして、リーダーによるメンバーへの支援を重視し、社長を一番下に置いた逆三角形型の「サーバントリーダーシップ型」の組織図を作成されている企業様もいらっしゃいます。
一方で従来の「縦割り型」の組織にとらわれず、部門の垣根を超えた横断的な取り組みをし易くする「プロジェクトチーム」という横串型の形態もあります。NBCがご支援の中でお客様に結成していただく、資金改善委員会がこれにあたります。
加えて、よりフラットで有機的な「Teal(ティール)組織」というドーナツ型の形態も近年注目されています。
特徴としては、
・進化する目的(エボリューショナリーパーパス)
…メンバー全員で目的を変化させ追求し続けていく
・全体性(ホールネス)
…個人のありのままを尊重し受け入れて心理的安全性を確保する
・自主経営(セルフマネジメント)
…周りの助言をもらいつつも最終的には各自が決断する
になります。
結果、メンバー同士が信頼で結ばれ共鳴しあい、環境変化に柔軟に対応できる理想的な自走型組織となります。
ここでご紹介した組織図はそれぞれ一長一短がありますので、組織の目的によって選んだり組み合わせたりする必要があります。特に、事業が多角化し戦略が変化する段階では「組織構造は戦略に従う」ことを意識し、目的の細分化や意思決定の迅速化を図りやすい組織図をつくりましょう。
組織図作成・運用時のポイント
また、組織図作成・運用時には、
・社内に周知徹底する
…作成したら誰でもいつでも閲覧できる場所に掲示する
・異動がある度に更新する
…変更があった部分に色を付けるなどして目立たせる
・各自の一言コメントを付け加える
…得意なこと、明るいことを共有して、必要とされる存在となる
ことで、社内の一体感をさらに高める効果が期待できます。
最近は従業員の顔写真や能力など、より詳細な情報を共有できるシステムもありますので、それらを並行して活用するのもいいですね。
いかがでしたでしょうか。これを機会に、皆さんの会社の組織図が「あるべき姿」と一致しているか、もう一度再点検してみましょう。その際には「組織の3つのルー=Role(各自の役割)Rule(統制と規則)、Teal(自走できる体制と環境)」がバランスよく保たれているか、組織の目標や目的、従業員の強みや貢献度を「時々味見してみる」ことをお勧めします。
以上、細川でした。