【3分ブログ】賃上げへの向き合い方

みなさん、こんにちは。NBC釜田です。
2026年が始まり2月、暦では立春となります。
大手企業では春闘が始まり、中小企業でも直接的な組合との対峙がなくとも、世の中が賃金についての目線が一層強くなる時期です。
今日のブログはコンサル現場目線での、賃上げについての根本的な考え方をお伝えします。
賃上げしたくても、できない現実
大企業では賃上げが定着しつつある一方で、中小企業を取り巻く環境は依然として厳しいままです。その理由の根本はオーナーの違いにあります。
大企業は、株主と経営者は異なっており、世界的な人口の増加が根本を支える形で、世界→日本も株価の上昇が起きて、大企業の資金の原資になります。
一方、中小企業は株主と経営者はほぼ同一であり、資金の原資は株主の資本金とこれまで生んだ利益の剰余金以外では金融機関からの融資しか原則選択肢はありません。
そのため、原材料費やエネルギー価格、人件費の上昇が続く中、大企業と競争しても価格転嫁は思うように進まず(むしろ下げざるを得ない)、経営体力が削られています。
「従業員の生活を守りたい」という思いと、「会社を存続させなければならない」という現実の板挟みが、今の中小企業経営者の率直な心境ではないでしょうか。
価格転嫁が進まない構造的な壁
中小企業が賃上げに踏み切れない最大の理由は、価格転嫁の難しさです。
取引先との力関係、長年続いてきた慣行、値上げ交渉への心理的ハードル。これらが重なり、「コストは上がるが売値は変えられない」という構図が固定化し、2026年1月から施行されている「中小受託取引適正化法(通称:取適法)」がベースにあるとはいえ、特に下請け仕事やBtoB取引では、価格交渉そのものを切り出しにくいケースも少なくありません。
結果として、上昇したコストを自社で吸収し続け、利益率が圧迫される悪循環に陥っています。
経営体力の差が生む“賃上げ格差”
物価の上昇=インフレの局面では、経営体力の差がそのまま賃上げ格差となって表れます。
内部留保や収益面に余裕のある企業は賃上げで人材確保を進める一方、余力のない企業は人件費を抑えざるを得ません。
これは単なる賃金の問題ではなく、人材流出や採用難を通じて、将来の競争力にも直結します。
「賃上げできない会社=魅力のない会社」と見られるリスクは、今後さらに高まっていくでしょう。
まとめ:生き残りの鍵は“交渉力”と“選択”
賃上げを実現するためには、単に我慢を重ねるだけでは限界があります。
価格転嫁に向けた交渉力の強化、自社の強みの見える化、場合によっては取引構造そのものの見直しも必要です。
すべてを一気に変えることは難しくても、「どこで利益を確保するのか」「どこに経営資源を集中させるのか」という選択が、これからの中小企業経営を左右します。
厳しい環境だからこそ、賃上げを“目的”ではなく、“持続的経営の結果”として捉える視点が、今まさに求められています。
コンサルの現場で言うと、今が苦しい会社は「かつてよかった時に対策を打てていない・・・大手に簡単に強みを打ち消されている」「現状が維持できていればよい」という過去の心理的甘さを感じます。
2026年は始まったばかり、成長を更に加速できるよう「自らを変える」は今です。