金融機関と借入金
セミナーにお越しいただくお客様より「借入金はできるときに最大限借りた方がいいですか」という質問をいただきます。
今後業績が悪くなれば、借りられないという側面からの質問でした。
上記の質問に対して、NBCとしての考え方は2点あります。
まず1つは自己資金という考え方です。
自己資金というものは、【現預金–借入金】で定義されます。
これは通常の財務指標や収益性分析の際に用いられている指標ではなく、弊社独自の考え方で定義しているものです。
上記の定義で考えた場合、金融機関からの借入金で手持ち預金を潤沢にしても
いずれ返済しなければならないお金には変わりありません。
資金がなければ会社は運営できませんが、必要以上の借入金は企業の財務指標を
悪化させる原因となります。
2つめは、金融機関へ支払う利息の考え方です。
大まかに借入金の使途は【設備投資】と【運転資金】に分かれます。
明確な使用使途があれば、必要な資金のみ金融機関から調達すればいいのですが
必要以上に借入した場合は、手持ちの預金に残ります。
社長としては予定より多めに借入できて良かったと考える方もいらっしゃいますが、実際は手持ちの預金に残っているお金にも利息が発生しています。
必要以上に借入した場合に支払っている利息については、掛捨の保険を支払っているのと同じだと考える方も多いですが、NBCとしては無駄な支払をしていると捉えます。
弊社で開発した「借入金分析くん」は、企業の1万円札に色を付けて分析します。
具体的には借入金の使用使途を「運転資金」、「設備投資」、「保険積立金」、「債務超過」
「手持預金」に分けて分析します。
金融機関から借入した資金がどのように使われているかを瞬時に判断するためです。
また、金融機関に支払っている利息金額を加味すれば、上記5つの使用使途に対して
どのぐらい利息負担をしているかも判断できます。
最後になりますが、金融機関はお客様と同じ株式会社です。
会社の状況を正しく判断し、適正な借入を行っていきましょう。
※自己資金については2019年10月2日のコンサルタントブログをご覧ください。