「スキルマップ」は作るだけで終わらせるな!
こんにちは、NBC釜田です。
今回のブログは、日頃ご支援していることから、1コマご紹介していきます。
業界問わず現代の日本は慢性的な人不足と言われ、逆に待遇面を理由に同業他社への転職ということも多いようです。
私がご支援している先様でも、1年前、上記の問題に頭を抱えており、新卒であっても仕事を覚えて数年で同業他社へ転職するケースが多く、中堅どころがすっぽり抜けてしまった組織体となっていました。
結果、人員不足により、本来受けたい仕事を受けることができず、売上そのものが取れないという喫緊の課題となっていました。
我々のご支援にて、今回この「社員定着しない問題」を全社を挙げて改善しようとプロジェクトを立ち上げ、早速会議を実施。
まず、なぜ社員が定着しないのか。を徹底的に考えてみることにしました。
挙がった想定される退職の原因は、やはり待遇面である給与や賞与、褒賞などの制度によるものではないかと言う声が多数。
でも本当にそれが理由なのでしょうか。
待遇面が理由なのであれば、そもそももっと基本給の高い業種に変えるでしょう。
さらに掘り下げることにより、
退職者の上部(うわべ)でない、本当の退職理由がわからない。
普段のコミュニケーションが十分に取れていないことが課題なのではないか。
その日の仕事をこなす毎日で、個人の未来や成長を促すようなものがなかったことも要因ではないかという声も挙がりました。
取った改善プランは、スキルマップの作成と運用でした。
本来スキルマップは、社員ごとのできることやできないことを、見える化する目的で実施するもので、導入されている会社様も多くありますが、運用を上手くやっている会社は少ないです。
ここで言う「うまい」使い方とは
①スキルマップを自己評価+上司評価で作成。(自己評価が甘い・厳しい拘らず平等にする)
②①を基にコミュニケーションを取る一環で面談を実施し、1年後のあるべき姿を考える。
そして、そのためのスケジュールを作って、実行する。
③②のスケジュールを基に上司や先輩は常に部下のコミットした取り組みを支援する。
④1カ月に一度など、定点の振り返りをし、達成度合いの進捗を確認する。
・・・というような使い方です。
何も難しいことではありませんが、作ったことでゴールになりがちな「スキルマップ」、
活用次第では、「育成計画書」として、社員の未来を作る指南書にもなるのです。
さらに、評価についても、
5:教えることができる
4:安心してまかせることができる
3:一人でできるがチェックが必要
2:やったことはある・知っている
1:やったことはない・できない
など、最終的にアウトプットができる(その業務の師範となる)までになることを目指せば、
会社としても、そのスキルは財産となるはずです。
冒頭お話しした、社員が定着していなかった会社は、
上記の取り組みで、退職者の流出はパタリと止まり、スキルマップを本当に上手に活用されていらっしゃいます。
退職の本当の理由は「その会社で、自分の未来が描けなかった」ことだったのでしょう。
聞けなかった退職の本当の理由が、1年を経て明らかになったと感じました。