中小企業の倒産はこれから増えるのか?

新型コロナウイルス感染症の影響でダメージを受け、倒産に追い込まれた企業が増加しています。ようやく回復の兆しが見えつつあるものの、ウクライナ情勢の影響による原材料費高騰など、中小企業にとってはまだまだ予断を許さぬ状況といえるでしょう。

また、最低賃金の上昇は経営者が抱える悩みの一つではないでしょうか。

 

□中小企業の倒産件数は?

 

コロナ禍以降の倒産件数は2021年度6,030件、戦後65年以降最も少ないという記録的な低水準を記録しました。20204月から緊急事態宣言、まん延防止措置法が続き、企業や経済が思うようにまわらない厳しい状態が続いたため、倒産件数は増えると予想されましたが、まったく違う結果となりました。

 

倒産減少の大きな要因としては、コロナ融資やゼロゼロ融資と呼ばれる、経営難に苦しむ中小企業の資金繰りを支援する融資制度の存在が挙げられます。多くの企業が「売上の見込みが立たない」「売上が戻らない」といった悩みを抱えていましたが、ほぼ無条件で国からキャッシュが行き渡ったことによって、倒産を回避できました。

 

2022年以降も同じ状況が続くと思われましたが、8月の倒産件数は492件で前年同月を上回る水準でした。結果としては、4月から4か月間連続での倒産件数の増加となりました。2021年の倒産件数は前年同月から2桁減という状況が続いていましたが、2022年以降は反転し、緩やかな増加傾向に転じている状況です。

※東京商工リサーチより

 

 

□中小企業の売上状況は、現在どの程度回復しているのか?

 

2022年度の業績がどうなるかという見通しについて、全国24,561社に調査した結果が帝国データバンクから開示されました。

増収増益であると回答した企業は2割弱で、21年度の同月よりもさらに落ち込んだ結果となりました。

 

※帝国データバンクより

 

 

□未来に向けて経営者がすべき舵取りとは

 

中小企業の経営者様に一番お伝えしたいことは、1人で問題を抱え込むことをしないでほしいということです。

 

現在では、相談しながら一緒に経営課題を解決していきたいと考える銀行や信用金庫、地域の商工会の方などがたくさんいます。ぜひ、そういった方々に一度相談する時間を作ってください。そのうえで今後の舵取りをどうすべきか、1人ではなく地域の皆さんと帆走・伴走しながら考えるという発想をもっていただきたいと思います。

 

弊社も202211月から「ゼロゼロ融資の真実」と題して、セミナーを開催しています。

 

すでにコロナ融資を返済している方、これからの返済に不安を感じている方など

多くの企業様のための内容になっていますので、是非ご参加ください。

https://shikin-up.co.jp/seminar/65018/

 

櫻庭

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