WBC優勝!『どえらい』侍ジャパンのチーム作り

皆さんこんにちは。

NBC坂井です。

WBCの優勝に日本中が歓喜していますね。

中には決勝戦があった時間帯は、

休みを取る従業員が続出した企業もあったようです。

今回の試合を振り返り、とある米メディアでは「どえらいチーム」、「米国はオールスター級の布陣で臨んだのに、日本に対してほとんど力を発揮できなかった。」とし、米国と並ぶ「野球の本場」と位置付けていました。

 

日本代表と言っても、いつもはそれぞれ違うチームでプレーしている即席チーム。短期間でチームがまとまり、世界一になる。

本日は侍ジャパンのチーム作りから、組織づくりについて考えてみたいと思います。

 

□組織とは?

 

組織=集団・グループと考えている人もいますが、それは少し違います。

組織とは目的を達成させるために構成されるシステムのことです。

 

人の集団で辞める人もいれば、新しく入る人もいるなかで、たとえメンバーが変わっても組織の目的は変わらず、達成させるための活動が続いていきます。

 

活動を続けるうちに成長する組織もあれば、衰退していく組織もあります。

どのようにしたら強い組織をつくることができるのか?

ポイントとなる要素は下記3つです。

■理念・共通目的

■貢献意欲

■コミュニケーション

 

□理念・共通目的

 

組織に属する人は、個人個人が目標の達成に向けて主体的に動きます。

企業であれば目的となる存在意義や経営理念が浸透している状態で、

数字に対するものさしや基準、目標が無ければ、メンバーは同じ方向を向いて、成果を上げるために行動してくれません。

 

メンバーが同じ方向を向いていなければ、組織として統率がとれた状態とは言えませんので、方向となる理念や目標は重要です。

 

今回の侍ジャパンで言えば「世界一」。

スポーツチームはケガや活躍次第でメンバーが入れ替わります。

メンバーが入れ替わっても、「勝つ」という目標は変わりません。

決勝戦前、恒例の声出しでは大谷選手が「トップになるために来た。あこがれるのをやめて、勝つことだけを考えていきましょう。」と発しています。

このことからも、メンバーに「世界一」という目標が浸透していたことが分かります。

□貢献意欲

 

貢献意欲は目標を達成しようとする意欲です。

モチベーションと言い換えればわかりやすいのではないかと思います。

成果を発揮するためには高いモチベーションが重要です。

意欲や原動力が、「組織に貢献したい」という気持ちになり、

それによって成果の達成度は大きく左右されます。

 

企業であれば従業員の労働の対価として賃金を支払いますが、

この時対価として、見合った評価や賃金の支払いが無ければ、

従業員のモチベーションは維持できません。

 

何をどうすれば評価されるのか分からない、

関係のない業務や不要な資料作成が発生している、

そのような状態ではモチベーションは維持できませんよね?

組織は目標を達成するための適切な環境を与え、達成するための具体的な業務内容を決めて定期的にフォローしていくことが必要です。

 

今回のWBCでは栗山監督が選手一人一人に、期待すること、役割を明確に伝え、そしてそれらを発揮できる場を与えていました。

またスポーツの世界では、活躍したメンバーはチームやファンの評価を得ることができますし、有名なチームへ移籍したり、翌年の年俸が上がり、意欲の向上につながります。

 

□コミュニケーション

 

組織におけるコミュニケーションは、目標を達成するためにメンバーが連携し、適切に機能しなくてはなりません。

これが機能していない状況下では、認識に齟齬が発生し、

重大なエラーが生じたり、人間関係がぎすぎすしたりします。

相手との意思疎通を図り、良好な人間関係を構築することは、

組織づくりにおいて重要なポイントの一つです。

 

ビジネスシーンにおけるコミュニケーションでは「報連相」が基本ですが、

部下からの「報連相」だけでなく、逆もまた重要です。

経営陣や上司からの報連相が無ければ、部下は過度にストレスがかかったり、

情報の伝達漏れで正確に業務を遂行することが難しくなります。

また上層部が現場での問題を認識しておきながら、

本来現場と相談(意見交換等)をしなければならないのに、

これを放置している場合、当然成果を出すのは難しい環境になります。

 

今回侍ジャパンでは最年長のダルビッシュ選手が、

10以上も年下の選手に自ら積極的に声をかける姿が印象に残っています。

自身が長い野球キャリアで培った技術や、考え方を若い選手に伝え、

またそれだけでなく、SNSには一緒に食事に行ったりする様子が投稿され、

良好な人間関係を気づいていたことが伺えます。

 

イタリア戦後のインタビューで、

栗山監督は「ダルビッシュジャパンと言ってもいいくらい。」と発言しています。それだけ彼がチーム作りに大きく貢献したのでしょう。

長いアメリカ生活の中で培った、上下関係を強調しないフラットなコミュニケーションで、キャリアの浅い選手とも対等な目線で接したことが、今時の選手に受け入れられたのでしょう。

 

様々なメディアで評価された、侍ジャパンのチーム作り。

今回改めて組織づくりのポイントと、エピソードを重ね合わせてみると、

様々な気付きを得ることができました。

組織づくりは安定的に企業が成長するための、重要な経営基盤となります。

皆様も一度、自社の組織がどうか改めて見つめ直してみてはいかがでしょうか。