HOWよりWHY

 コロナによる影響が続く中で、これまで好業績を上げてこられた経営者様も、さすがに次の一手をどうするか・・・非常に困られている会社が増えてきました。

 

 最近お客様のところで顕著に目立つようになったことがあります。

 

 それは、「この状況を打破しようとしているのは経営者だけだ」ということです。

 

 平時で会社がうまく回っているときにはそれほど感じることもありませんが、コロナのような異常事態になると、やはり普段見えないものが見えてきたりします。

 

 まず、社内に経営者と一緒にこの状況を打破しようと「考え、行動できる」社員がほとんどいません。(指示されたこと、いつも通りの仕事であればしっかりできる社員はたくさんいます。)つまり「自分自身で考えて動く」ことができず、考えて動くのは常に経営者、そして経営者が確立したものが指示となり、それを社員がたんたんとこなす・・・こういった構図になっている会社が多いのではないでしょうか?

 

 ほとんどの会社がこうなってしまった背景として、一番真っ先に思いつくのはやはり「教育」の問題ではないかと思います。会議で「どうしたらいいか?」という問いかけにはシーンと静まり返る・・・そんな場面がたくさんあると思います。

実は会社で普段行われることはこの「HOW」=「どのように」の部分がほとんどで、「WHY」=「なぜ」の部分の教育はほとんど行われていません。

例えばですが・・・

・なぜ売上が必要なのか?

・なぜ粗利が必要なのか?

・なぜ粗利率が必要なのか?

・なぜ経費を削減しないといけないのか?

・なぜ資金が必要なのか?

・なぜこの会社はこのような商品(あるいは製品)の、サービスを提供しているのか?

・なぜこの仕事(業種・業界)を選んだのか?

・なぜこの職種(営業・製造・工務・総務・経理など)を選んだのか?

・なぜこの会社で働いているのか?

上記の例えはどれも当たり前のように聞こえますが、「なぜ」を「どのように」に置きかえていただくと、普段社内でも使われている文言になると思います。どのように売上をあげるのか?どのように経費を削減するのか?といった具合です。

私も部下を持つ身として、部下育成にもっとも重要なことはこのなぜ(動機)を教えていくことだと考えています。考える(=どのように)を導くためには、そこに至るための「目的」が絶対的に必要です。

これは我々が提唱させていただいている「資金指導」でも同じで、目的を「資金」とすれば「売上」はさほど重要ではないことをご理解いただけます。つまり、目的がはっきりし、その目的が「自分自身の目的」になりさえすれば、人は自分自身で考える(知恵を絞り出す)ようになるものなのです。

しかし、いきなりなんの教育もなく売上目標を設定しても、誰も考えません。それは自分自身の目的ではなく、単に「与えられた目的」に過ぎないからです。

 

 「どのように」を投げかける前に、「なぜ」の教育を行ってみてはいかがでしょうか?

 

社員の給料を上げる、福利厚生を充実させるなど、社員のよくある要望に応えるためにも必要なのは「資金」です。なぜ資金が必要か・・・目的を資金においてみれば社員は考える社員に生まれ変わります。

 

 こんな時だからこそ、会社の理念はなんだったのか?会社の目的はなんだったのか?を今一度しっかりと振り返るべきではないのでしょうか?そして、それを経営者ご自身で社員の皆様に伝えていただきたいと思います。

戎屋

プロフィール

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