改革の春です🌸4月からの年金にまつわるあれこれ~企業への影響は・・・~
みなさんこんにちは。NBC坂井です。
ぽかぽか陽気で急激に暖かくなってきましたね。
出会いや別れの季節でわくわくもしますが、世界に目を向けてみるとウクライナでは戦争が起こり、
原油高やFRBの利上げなど、世界経済は混沌としています。
そんなニュースの中で、埋もれてしまったことがありますが、みなさん何だかわかりますか?
4月から、年金が大きく変わります!!
自分はまだ関係ない、と無視していませんか?
この改正で受け取る側も、企業側もどんな影響があるでしょうか?
今回の改正は10年ぶりの大改革!!働き手の不足、高齢者の増加、社会保険料負担の増加など様々な課題があるなかで、ざっくりと、“シニア層・主婦(夫)に働いてもらおう”こんな考えのもとに施行されます。
改正のポイントは大きく4つ。
1:社会保険適用者が拡大
2:在職老齢年金(働きながらもらえる年金)の要件緩和
3:繰下げ受給の年齢上限が75歳に
4:DC・iDeCoの加入要件の緩和
1:社会保険適用者が拡大
パート・アルバイト等短時間労働者が社会保険に加入する要件が変わります。
現行従業員501人以上企業が対象ですが、
2024年には51人以上の企業が対象となります。
規模要件のほか、変更点がありますので確認してみてください。
2:在職老齢年金の要件緩和
在職老齢年金とはざっくりいうと働きながらもらえる年金のことですが、賃金と年金の合計額が一定以上になると減額される制度のことです。
現行では60歳~64歳までの人は28万円を超えると一部または全額が不支給となりますが、春からは47万円を超えるまでは一部または全額不支給の要件が無くなります。今までは年金の兼ね合いでセーブして働いていたシニア層も、バリバリ働いてくれることが期待できそうですね。
3:繰下げ受給の年齢が75歳に
公的年金の受給開始年齢は原則65歳ですが、60歳~70歳までの間で自由に選択することができます。これが~75歳までに変更になります。繰下げ受給した際の年金の増額率は月0.7%なので、
75歳まで繰下げた場合は最大84%の増額率となります。
4:DC・iDeCoの変更
2022年5月~新たに企業型DCと個人型DCの加入年齢が引き上げられます。
企業型DC:65歳未満⇒70歳未満
iDeCo:60歳未満の公的年金の被保険者⇒65歳未満の公的年金の被保険者
また、現行の制度では企業型DCに加入している人がiDeCoに加入する際は労使の合意が必要でしたが、2022年10月~はこれが原則不要となります。マッチング拠出をしている場合はiDeCoには加入できませんが、掛金が55,000円以内に調整すれば運用できる商品も広がるのが魅力ですね。
今回の年金の改正で、企業としては社会保険料の負担は増えるものの、パート・主婦(夫)層がより長く働いてもらえるような制度になってきました。労働者の収入によっては手取りが減ってしまう可能性もありますが、年金以外にも社会保障全体としてとらえると享受できるメリットは大きいのではないかと思います。
将来自分が年金をいくらもらえるのか、どのような働き方をするのか、具体的に考えたり、社員とコミュニケーションをとっていくことは、計画的な人材確保の面で見ても重要なことなのかもしれません。