「資金を活かす」方法 ~賞与支給の場合~

皆さんこんにちは。資金コンサルタントの細川です。

 

ここ東京では暑い日が続く一方、鳴りを潜めていたセミがようやく顔を出し始めて本格的な夏を感じさせるようになってきました。皆さん、くれぐれも日焼けと脱水症状には気を付けましょう。

 

 

さて、夏と言えば賞与。決して好調とはいえない業績の中、少しでも従業員に報いたいという社長の思いで賞与を支給された企業もあると思います。そこで今回は賞与支給に際して、より効果的に「資金を活かす」方法を紹介します。

 

 

被考課者にフィードバックする

まずは賞与の評価対象期間において、被考課者の良かった点や改善すべき点を個別面談でフィードバックします。大切なのはどちらの点に関しても理由を付けることです。これは人が何事にも理由や原因を求める心理を活用したもので、全く同じ結果を伝える場合でも、理由があると被考課者の納得度をより向上させることができます。そのためには、事前に面談内容で話す内容を準備しておくと、より円滑に進められます。

 

またフィードバックする際の留意点としては、考課者側に発生する様々なバイアスをなるべく排除することです。例えば何か1つでも良い点や悪い点があると、実態以上に良くも悪く見えてしまう「ハロー効果」や、考課する直前の行動や結果だけで評価してしまう「期末効果」があります。ですので、個別面談に臨む前に考課者同士で模擬面談などを行い互いに学びあう機会を設けると、より効果的に考課者側の意図を伝えやすくなります。

 

 

個人目標を設定する

そして可能ならば、会社や部門の目標を個人レベルでの目標にまで落とし込み、被考課者自身に決めさせます。これは常に言動を一貫させたいという人の心理を活用したもので、被考課者が自ら目標を設定することにより、達成に対して「自分自身と約束させる」効果が期待できます。もちろん目標の設定方法や内容については、考課者による支援を前提とします。

 

また目標を設定する際のコツは、取り組み前後が比較可能なものとすることです。例えば数値で測定したり写真で残したりできるような、客観的な手法が採れる内容のものが適しています。そうすれば、たとえ詳細な評価基準が無かったとしても達成度合いがより明白になり、次回の賞与査定の際に活用できるからです。

 

 

考課者自身も振り返る

加えて個人面談を実施した後に考課者自身の反省の機会を設けることで、被考課者との関係性をより良化させることも期待できます。特に聞くべきことを聞けたか、伝えるべきことを伝えられたか、そして考課者が気づいたこと、感じたことを書き出し、考課者同士で意見交換すると効果的です。併せて被考課者とのコミュニケーションや目標達成の方法などについても検討してみましょう。

 

また定期的に被考課者と面談する機会を設け、個人目標の進捗状況を確認することも重要です。その際のコツは、トップダウンで一方的に管理するのではなく、被考課者自身に「任せられればできる」という自己統制と有能感を持たせることで、モチベーションの低下を防ぐことができます。もちろん任せっぱなしにするだけでなく、必要ならば上長や組織からいつでも支援があることも伝えます。

 

 

いかがでしたでしょうか。このように会社のお金を使う場合でも、ちょっとした工夫でより大きな効果が期待できます。賞与支給のタイミングは経営者の思いを従業員に届ける絶好の機会ですので、是非現状の改善に取り組んでみてください。

 

以上、細川でした。

 

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