【1分ブログ】お寺が大変!~築地本願寺の経営から学ぶ~
みなさん、こんにちは。NBC釜田です。
今年度もあと1カ月半、寒波はまだまだ厳しいですが、春が恋しいですね。
今回は、全国で77,000あるといわれ、血縁の崩壊・地縁の崩壊の外的環境から
20年で30%が消滅すると言われる寺。(斜陽産業)
毎年億単位の赤字が発生していた築地本願寺。(浄土真宗:仏教の最大派閥)
見事回復させた経営学を1分解説します。
◆キーマン
安永雄彦氏・・・慶大卒業後、三和銀行→コンサルティング会社経営を経て、仏教の教えを学ぼうと、50歳で得度。これまでの経歴から住職宛てに経営の話をすることがきっかけで、築地本願寺(東京都中央区)で寺院運営に参画。参拝数を倍増するなどで注目。2022年10月浄土真宗本願寺派本山となる、京都西本願寺の執行長(会社であれば社長職)に就任。
□顧客を作る・・・まずは種を蒔く。顧客は待つものでなく創る。
①知らないサービスは怖がられる。
(認知される、親しんでもらう。開放的・親しみ・安心感を持ってもらう。)
→分かりやすいHP、施設を囲う森林を伐採し、特徴ある建築が見えるようにした。
②役に立つと認識してもらう。
(顧客の悩みをサポートする。)
オンラインコミュニティーを作る、法話等の役立つ情報をyoutubeで発信。
③①と②から信頼が生まれ深い顧客関係になる。
□顧客に応える・・・顧客のニーズの把握と驚きを生み出せているか。
①利用しない不満を徹底的に聞く。
お墓参りは面倒の声→小スペースで安価な墓地を設定。
参拝に行く理由がないとの声→おしゃれなカフェを作って来てもらうきっかけにする。
②強みを組み合わせる:立地、有名である
→カフェによる理由が生まれる。有名であることからPRで信頼される。
AIさんのゴスペルなどイベントを実施。
□そもそも浄土真宗の普及もヒントにあった。マーケットインという手法。
売る側が売りたいものを作るのではなく消費者が欲しいものを徹底して作る。
浄土真宗の宗祖である親鸞は、
法然の「南無阿弥陀仏」と唱えるだけで救われることが分かりやすいと考え、途中下山。
つまり仏教は「こうあるべき」という考えを打破しました。
さらに蓮如(れんにょ)は親鸞の文字は漢字が多くて伝わらないことに危惧し、
手紙を口語で書いて、普及に大きく貢献したそうです。
宗教の波及も、ビジネスの波及も根本は同じ。
広がった鎌倉時代も疫病がはやり、貧困差が激しい時代だったそうです。
市場を分析し、弱点を克服しながら強みを活かす。
いわば経営の王道ですが、いまこそ活かすべき思想です。