事業承継のもう一つの選択肢 M&Aとは?

皆さんこんにちは。資金コンサルの細川です。朝晩冷え込みことが多くなり、だんだんと秋の気配を感じ始める季節になりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。季節の変わり目、体調管理にはより気を付けていきたいですね。

 

本日は、最近活発になりつつある中小企業のMAについてお話します。NBCのお客様からも問い合わせをいただく機会が増えておりますので、特にご相談の多い売却側の状況(事業承継)について、簡単にまとめてみたいと思います。

 

 

事業承継の手段

まずは中小企業が事業承継するために、従来どのような手段が用いられてきたか見ていきましょう。

 

もっとも一般的なのが、経営者の子息や親戚などに経営を引き継いでもらうことです。特に子供ならば親の働く姿を普段から身近に見ていたり、家業として手伝いを通したりして、どのような仕事をしているか経営のイロハを学ぶ機会も多く、円滑な事業承継にとっては理想的な環境です。

 

しかし最近は少子化でそもそも子供がいない経営者や、子供がいても異業界で安定した収入や環境で働いていたり、遠方で生活基盤があったりして家族が「転職」することを反対することがしばしばあります。また経営者自身も、子供には自分と同じような苦労はさせたくないとか、そもそも経営者には向いていないと考えているなど、親族内の事業承継に消極的な姿勢であることも珍しくありません。

 

もう一つの有力な手段が親族以外の従業員承継、つまり「番頭さん」に会社を任せるという手法です。特に「家を守る」という意識が強い近代以降の日本では、親族外の後継者候補を経営者の養子とするなどにより、家業を継続するということが一般的に行われてきました。

 

しかし、そもそも少人数の組織で運営することが前提の中小企業のため、社内に有力な候補者がいなかったり、経営者候補となりうる優秀な人財を外部から調達する余力がなかったりすることが普通です。また、中小企業で働く従業員の収入が伸び悩む中、経営者になったとしても重い責任に見合うだけの魅力的な報酬が得られるか未知数であり、たとえ長年手塩をかけて後継者を育てたとしても、他社に転職されたり独立されたりすることもありえます。これらの懸念が、従業員への事業承継に二の足を踏む要因となっています。

 

このような中で第三の選択肢として有力となってくるのが、外部への事業承継であるMAです。

 

 

売却側の中小企業の課題

売却する側の中小企業自身にも、すんなりとMAに踏み切れない理由があります。

 

まず、売却先を見つけることが簡単ではありません。そもそもどのような企業が売却先としてふさわしいか、売却したらどのようなことが起こるのか、限られた情報で想定することはかなり困難です。

 

また企業売却という機微な話であるので、経営者はむやみに従業員に相談することはもちろん、知り合いの経営者に持ち掛けることも憚られます。思わぬところで情報が流出して、自社の信用や従業員のモチベーションに影響が及ばないとも言い切れないからです。経営者のプライドもあり、最初の一歩を踏み出すことを躊躇するのは当然のことです。

 

売却する企業自身にも課題があり、売却案件として魅力的ではないことも往々にしてあります。例えば借入金が多すぎる、事業の魅力度が低い、従業員の定着率が低いなどは、中小企業が一般的に抱えている課題です。このような理由もあり、MA業界では売却希望のある中小企業の2割程度しか実際には売却できないと言われています。「売るに売れない」厳しい実情のため、引退することもできず仕方なく経営を続けている社長も多くいらっしゃるのです。

 

そのほか、どのように売却を進めれば円滑に交渉が進み成功確率を高めることができるのかわからない、という課題もあります。日本では企業売却を頻繁に行う経営者はまだまだ少なく、そもそも売却自体が「一生に1度の大行事」である場合がほとんどですので、経験や知識が不足するのは至極当然です。

 

 

NBCで支援していること

このような中小企業を取り巻く環境の中、NBCではお客様のMAの交渉を行い実績を積み重ねているのはもちろん、多くのMA仲介会社と提携し売却先としてふさわしい相手を探すことで事業承継を支援しています。また長年の経営支援や事業再生に基づく豊富なノウハウを活かし、売りっぱなし、買いっぱなしではないビッフォーアケア・アフターフォローが可能なことが特徴です。MAはいわば企業同士の「結婚」です。離婚しないことはもちろん、夫婦生活がうまくいくよう結婚前後も支援することで成功確率を高め、経営者も従業員も取引先も幸福となるような支援を行っています。

 

いかがでしたでしょうか。従業員や取引先への影響をなるべく小さくし、円滑な事業承継を行う手段として、将来のMAという手法も視野に入れて今から準備し選択肢を増やしておくことも、経営者のストレスを軽減する有力な手段であることがご理解いただけたと思います。

 

ちなみにNBCは経済産業省公認である「M&A支援機関」に登録していますので、気になることがございましたら安心してお気軽にご相談いただければ幸いです(後継者不足という理由はもちろん、「業界や会社の状況を鑑みると先行きが不安で経営に自信が持てない」、「事業の選択と集中を行いたい」、「今のビジネスに飽きてしまった」というようなお悩みでも大丈夫です)。

以上、細川でした。

 

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