「考える力」を高めるために最も大切なこと
こんにちは。資金コンサルの細川です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。最近は梅雨真っ盛りで、ジメジメした日が続きますね。
ストレスでついつい思考能力が落ちてしまいがちですが、コンサルタントは頭脳労働が命。どんな時も一定以上のパフォーマンスを発揮し、アイデアを提供することが求められます。我々にしてみれば当り前のことですが、お客様からはしばしば「どのようにしたら考える力を鍛えられるのか」という質問を頂きます。一見、特別な人にしかできない特殊能力と思われがちですが、実はちょっとしたコツをつかめば、誰でも様々なアイデアが浮かべやすくなります。
そこで本日は、「考える力」について、我々コンサルタントが常日頃気を付けていることをご紹介します。
最も大切な「考える力」とは
「考える力」と問われると、どのようなものが思い浮かぶでしょうか。例えば、論理的思考力(筋道を立てる)、直観力(ひらめき)、仮説思考力(結論から逆算する)、フレームワーク思考力(全体を俯瞰する)、抽象化思考力(単純化する)などがありますね。
確かにこれらはどれも考える力として大切なものですが、そもそも考え始める「きっかけ」が無ければ、せっかくの能力も発揮されることはありません。つまり知的好奇心を高め、当たり前を疑うマインドを常に持つことが最も基本的な「考える力」なのです。
考え始める「きっかけ」に必要なのは
それでは、この最も基本的な考える力の「スイッチを入れる」ためにはどうすべきでしょうか。それは、自分の持っている「思考のクセ」を徹底的に認識することが大切になります。
例えば、スイッチを「入れづらく」するクセとして、
・自分中心(人はみな自分勝手)
・目先や現在(具体的で分かりやすいことが大好き)
・過程重視(苦労話を聞いてもらいたい)
・部分から出発(自分がよく知っているものの方が楽)
・直近の些細なこと(最近のことは細かく思い出しやすい)
・他人の短所(自分が一番かわいい)
・不利な相違点(できない言い訳)
・唯一無二の特殊性(自分は特別である)
・他人の一般化(木を見て森を見ず)
・枝葉末節へのこだわり(目的を見失う)
・例外が気になる(現状維持で安心したい)
・複雑怪奇化(専門能力を自慢する)
が強いと、目を曇らせ、偏見やステレオタイプに陥り、ありきたりな結論に誘導されやすくなります。
ですから、これらの裏返しとして
・相手を中心にして
・より遠い未来のことを
・結果にこだわって
・全体を俯瞰しながら
・自分の短所にも目を向けつつ
・自分でもできることを探し
・プライドを抑えて
・各自の個性を尊重し
・本筋から外れないよう
・基本原理にこだわり
・共通点を探す
習慣を意識すれば、「考える力」を飛躍的に向上させることができます。
様々な場面で活用する
また、自分の思考のクセを意識するのは、仕事の場面だけに限らず、日常生活や人間関係、ニュース、歴史、経済など、様々な場面でも応用が利きます。そして、常日頃から物事をフラットに受け入れる余地を常に作り続けることができれば、その他の「考える力」もより一層底上げすることができます。
いかがだったでしょうか。「自分こそは正義」と考えてしまうのが人の性。それも人間らしい魅力ですが、常に両極からアプローチすることが意識できれば、普段の見慣れた景色が違って見えてきて、新鮮な発見につながり、前向きな気持ちになりやすくなります。今日から早速実践してみてください。
以上、細川でした。
参考文献:細谷功 (2023) 『今すぐできて、一生役立つ 地頭力のはじめ方』 大和書房