中小企業経営者のための「新人教育の考え方」
皆さん、いつもブログをお読みいただきありがとうございます。
すっかり秋めいてきましたね!
今回のブログのテーマは『中小企業経営者のための「新人教育の考え方」』についてまとめてみました。
新人社員の教育における悩み
よく、経営者の方から「うちの社員は育たない、レベルが低い」と相談されることがあります。
会議の場でも発言しないし、発言したとしても「今さら、そんな事言っているの?!」と呆れてしまう場面も多々あるようです。
では、どのような教育を行っているのか確認すると「入社した時にビジネスマナーの研修へ行かせた。」とか「先輩社員に教育させている」など回答されますが、結果的には社長や管理者が満足するような成長には至っていないようです。
さらに、現場の社員の方にも教育について質問すると以下のような事が聞こえてきます。
「10年前に作ったマニュアルしかないですよ…。」
「そもそも、教育担当者って誰ですかね…?」
「私だって、この会社に入ってきちんと教育されたことなんてないです…。」
まぁ、何とお粗末な状態でしょう。そりゃあ、社員は育ちませんよね。
しかし、中小企業経営において、多くの会社が人事や教育専任の部門を設ける余裕も無いですし、
社長やベテラン社員のほとんどが「俺が若い頃は、誰も仕事なんて教えてくれなかった!」、「先輩の仕事を盗んで覚えた!」というような方が多いので、このような状態に陥ってしまう事もよく理解できますよね。
社員教育の“今”と“昔”
前述した通り、昔の教育といえば、「先輩の背中を見て覚える」や「仕事は盗むで覚える」というような職人の世界のような時代もあると思います。
とは言え、昨今はこのままでは人が育たたないという事で、マニュアルを作って、マニュアル通りに仕事をさせるようになっていきましたが、その歪みとして「マニュアルに書いている通りにしか仕事ができない。」、「マニュアルに載っていないので知りません。分かりません」というようなマニュアル人間を生み出してしまいました。
ちなみに、マニュアル人間という言葉を調べてみると以下のようなことが書かれていました。
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マニュアル人間とは…
マニュアルに沿った運用は得意だが、想定外のことに対して機転を利かせ対処することは苦手、という傾向のある者を指す言い方です。マニュアル通りの決まったことしかしない、マニュアルにないことができない、という揶揄・軽視の意味合いを込めて用いられることが多いです。
マニュアル人間の特徴には、次のようなものがあります。
□マニュアルに書いてあることしかできない
□機転が利かない
□独創性がない
□人間味が感じられない
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何かに従ったり、みんなと同じことをやるのが嫌だという想いがあって、経営者になられた方も多いと思いますので、反りが合いづらいのも頷けますよね。
そこで必要となってくる教育の考え方が主体性を持たせながら、学ばせるという事です。
教わったことを四角四面に捉えるのではなく、自らで考えて行動する社員を如何に育てていけるかが重要な取り組みなっていきます。
ラーニングピラミッドについて
ここで重要になってくるポイントが「ラーニングピラミッド」という理論です。
簡単に説明すると、誰からから講義や説明を受けても、学習の定着率は5%程度しかないが、自らが誰かに「教える・説明する」と学習の定着率は90%になるという事です。
つまり、会社で「教育マニュアル」を用意して、何時間も掛けて先輩社員が説明しても、新人社員からすれば、その時は「理解したつもり」になっても、時が経てば忘れてしまい身に付いていないという事です。
そして、そもそも実体験のない教育であれば、ほとんどが活かされず、現場に出てから、また一から学習しなければならず、研修期間が無駄になってしまいます。
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わざわざ説明しなくても、調べれば解る時代
ではそもそも新人に対して、どのような教育をしているのかというと、「名刺の渡し方」、「ビジネスマナーの基本」、「社会人としての教養」、「PCスキルの基本」、「業界の知識」など、仕事をする上で必ず必要になることばかりだと思いますが、このテーマのいずれもが「調べれば解る!」ことばかりです。
それこそ、インターネットで検索すれば3秒で欲しい情報を得ることができますし、ChatGPTに質問すれば、丁寧に解説までしてくれます。
つまり、わざわざ、先輩から教わらなくても「仕事の基本」はいくらでも学べるのです。
しかし、多くの社会人が…
「会社が教えてくれないから分からない」
「会社が勉強の機会を作ってくれないから分からない」
「先輩がやっていた通りに真似したら間違っていた」
と恥ずかし気もなく、自分も被害者だと言わんばかりに主張してきます。
元を辿れば、そのような環境を作ってこなかった会社の問題もありますが、そこに甘んじてしまった社員自身の問題もあるかもしれませんね。
これからの教育は・・・新人が教える時代!
上記の表現が正しいか分かりませんが、先輩が新人を教えるという固定観念こそが大きな問題なのではないかと感じます。
育ってきた時代が違うのですから、その世代に応じた考え方や特性があるはずです。
であれば、新人が先輩に「教えられること」もあるはずです。
例えば・・・
・SNSの使い方
・スマホやPCの使い方
・若者の思考や心理
・今の流行り
などであれば、新人の方が知識を持っている事も多いのではないでしょうか?
であれば、先輩から新人へ教育するのは「先輩でなければ分からない事」に重点を置くべきで、「自社のルールや人間関係」、「得意先の特徴や対応方法」、「社内の処世術」、「これまでの経験の伝承」などであれば、インターネットやChat-GPTにも答えは解らないはずです。
一方で、新人から先輩への教育は「新人だからこそ解る事」を伝えても良いはずです。
「前職での経験した良い慣習や仕組み」、「世代差による考え方の違い」、「SNS、PCなど先輩が苦手とするツール」などであれば、新人の方が立派な講師になるのです。
人に伝える事で成長できる
ラーニングピラミッドの理論を理解し、新人自らで情報を仕入れ、人へ伝えるというプロセスの中に本当の学習定着があると思います。
人前で話す力、考える力、物事をまとめる力を育めば、きっと、冒頭のような「うちの社員は育たない、レベルが低い」という嘆きも少なるのではないでしょうか?
ぜひ、型にはまらない実践的な教育手法を取り入れていきましょう。
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